研究レポート

NHKテレビ番組『所さん!大変ですよ。』への出演

昨年は7月に朝日新聞さん、8月に読売新聞さんと大手新聞社に取材記事が掲載され大変驚きましたが、今回はなんとNHKさんのゴールデン番組に出演させていただくという大役をいただきました。映像関係の取材はとても苦手なのですが、今回は良い意味で、程よくカットされていたため、落ち着いて観ていられました。

補聴器は、「補聴器」という名称自体で避けられてしまう、かなり特殊な嫌われものです。名称という根本の部分で否定され続けているモノは、そうそうないのではないかと思います。なぜ、こんなにも補聴器は嫌われてしまうのか。これは一言ではお話しできない程に問題があるためです。

この『所さん!大変ですよ。』は30分番組です。30分でどのように取り上げられるのかと思いましたが、イヤホンによる外耳炎から始まり、松崎しげるさんによる難聴による深刻な悩みと補聴器を使った効果、認知症と難聴に関する世界的に権威のある医学雑誌のエビデンス、認知症の予防に補聴器が役立つこと、そして最新の補聴器へと、非常に分かりやすく視聴者を飽きさせないストーリー展開に感心しました。

ネガティブな補聴器イメージだけが独り歩きをしてしまいますが、聞き取りにくいことで、社会的に孤立するということが、海外の論文でも発表されています。補聴器について誤解されている方、嫌煙されている方に、一歩踏み出すきっかけになったのではないかと思いました。是非再放送も見ていただきたい番組です。このような方が周囲にいらっしゃれば、再放送をぜひお薦めしてみてください。

番組名:所さん!大変ですよ
NHK総合 毎週木曜日 午後7時30分~

VTR出演回
「コロナ禍、耳の病気が急増!?」
・6月17日(木)午後8時18分~
・再放送:6月24日(木)午前0:29~
https://www.nhk.jp/p/taihentokoro/ts/5RG1V58XZQ/episode/te/WYJ7NQGPMR/

▼補足情報
認知機能と加齢性難聴、そして社会的孤立との関連等も解説されていました。この部分についてより詳しい情報に興味をお持ちになりましたら、以下の論文で詳細に報告されています。今回の番組で取り上げられていた医学雑誌の最新版『Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission』に参考文献として取り上げられているイギリスの論文になります。難聴のまま補聴器を装用しなかった方に限り、社会的な孤立が有意に認められた結果について報告されています。

『Association of Cognition and Age-Related Hearing Impairment in the English Longitudinal Study of Ageing』(Jaydip Ray, PhD, MS; Gurleen Popli, PhD; Greg Fell, BSc, MSc)September 6, 2018
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/fullarticle/2698895

フォナック スイス本社からお越しいただきました

記念撮影

東京ヒアリングケアセンターでは、メーカーとの意見交換会を定期的に行っています。

今月はスイスの補聴器メーカー「フォナック」の本社から、2名青山店にお越しになりました。スイスのフォナック社の製品はプロの要求に対応する細かな調整ができる点、とても信頼し気に入っています。フォナックの補聴器は熟知していますので、様々な形状の補聴器をお客様にご提案しています。

当日は日頃の現場の実情についてお話ししました。今後の開発の参考になることを願っています。

余談ですが、スイスと言えば私は直ぐに精巧な時計をイメージしますが、お二人曰く、 銀行も、チョコも…と、確かに色々とありました。どれも一級品で、ブランド力がありますね。

耳型の研究と補聴器

歯に銀歯などの詰め物をするとき、歯型を採りますよね。
補聴器(イヤーサポーター)も同じです。
補聴器を製作する時には 耳にしっかりフィットするように耳型を採ります。
この耳型の技術は奥が深く、ただ補聴器のフィット感を良くするだけでなく
形を作り変えることによって、聞こえ方まで変化させる効果もあります。

そんなことから、時々休日を合わせて行っている社長との「研究会」ですが
昨日は「耳型採取」を取り上げることにしました。

まずはシリコン材を適度に混ぜ合わせます。

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このシリコン材を注入器で耳の中に流し込みます。
シリコン材が固まるまで数分ですので素早い作業が必要となります。

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シリコン材が固まるまで数分お待ちください。

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数分後シリコン材が固まったあと耳から取り出して完了です。

下の写真は耳からシリコン材を取り外したところを撮影したものです。
白いスポンジはシリコンの浸入から鼓膜を保護するために事前に耳に詰めておきま す。

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補聴器のお客様と応対する中で発生する日頃の問題を出しあいながら、検証を重ねました。
この型取りは音でいうところの「hi-fi(ハイファイ)」のように、
忠実に耳の形を 採取することが目的です。

とても繊細な作業のため細心の注意が必要とされますので、
是非熟練した技術をもつ 当店にお任せください。

製作する製品に合わせて微妙に採取する方法が異なり、声のひびき感こもり感など
しっかりと耳にフィットしていないと不具合が起きます。
補聴器を使用して耳が痛い、入れにくいなどの問題を抱えていらっしゃる
補聴器ユーザーの方々には、耳の型を採り直すことをお薦めします。