研究レポート

海外補聴器メーカー「フォナック」新製品発表会に参加しました

2013年新春モデルがスイスのイヤーサポーター(補聴器)メーカーのフォナック社から発表されました。発表会の模様をレポートいたします。

補聴器の展示


今回はスタンダードモデルからプレミアムモデルまで一斉に登場。イヤーサポーター(補聴器)の要のICチップが新しくなり、新機能も入りました。新機能は「風の中での会話」と「オートステレオズーム」の2点。風の中での会話はゴルフ場など、風通しの良い屋外での使用が想定できます。オートステレオズームとはイヤーサポーター(補聴器)を身に着けた方の正面を聞き取りやすくする機能のこと。騒がしい中での聞き取りが想定されます。

新製品補聴器の体験


体験コーナーでは、実際に参加者もヘッドフォンを付けて新製品の様々な効果を比較しました。

ナノ補聴器


サイズとデザインについては、昨夏に登場したnanoという超小型の耳あな型補聴器が更に小型化して登場しました。耳にかけるタイプの耳かけ型イヤーサポーター(補聴器)のデザインは全般に変更が加えられているものの、今までの流れを踏襲したデザインであることを感じました。

フォナック補聴器の今後のキービジュアル


今回は至る所にこのキービジュアルが登場。これは視覚に訴えるフォナック社の新しいアイデンティティ。この絵の中に、様々な機能の説明が表現されているのだそうです。ネガティブなイメージが無い明るいデザインに、共感を覚えました。

<あとがき>

補聴器発表会の資料一式


発表会では様々な資料をいただきましたが、基本的には従来の製品がベースのバージョンアップという印象があります。このため、お客様へのイヤーサポーター(補聴器)の音合わせや型合わせなど、一連の作業を違和感なくスムーズに行えます。

フォナック 新製品発表会。超小型耳穴型補聴器が登場。


フォナック新製品発表会_フォナックナノ_展示台


8月11日(土)午後にPhonak社の新製品発表会に参加いたしました。終了後はメーカーの関係者や同業の諸先輩方とお酒をかわし情報交換。有意義な会合となりました。

フォナック発表会_フォナックナノ装着例
フォナック発表会_フォナックナノ


今回の注目は新製品のPhonak nano(ナノ)。春にオーティコンから日本での発売が開始された超小型耳穴型補聴器と同じサイズのカテゴリー。今後補聴器業界のスタンダードになると思います。

フォナック発表会_ワークショップ1

 
選択制のワークショップでは、まずはアップグレードした補聴器調整ソフトの操作体験セミナーを受講しました。大きな変更点は無かったため、既に慣れたソフトでありスムーズに操作できました。

フォナック発表会_Naida S CRT装着例


補聴器調整ソフトの練習用に使用した補聴器、Phonak Naida S CRT。撮影の角度が若干2名で異なりますが、装着する人の耳によって納まり具合が異なることはお分かりいただけると思います。私の耳では横からでしたら全く目立ちません。

フォナック発表会_カスタマージャーニー資料

 
選択制のワークショップとして、2つ目は顧客心理のコースを選択しました。お客様が聞き取りにくい状態の受け入れから補聴器を使用するまでの過程を、補聴器業界では○○ジャーニーと呼んでいます。フォナックでは「カスタマージャーニー」と呼んでいるようです。 すぐに自らの状況を受け入れて、補聴器を使用する行動に移れる方もいれば、そうでない方もいます。どちらかと言えば後者の方が多いと感じます。ではどのように我々がサポートに立ち会い、励まし、お客様の力になることが良いのか、そのヒントが○○ジャーニーにあります。普段の現場経験にて感じることを、このような座学にて整理することで、新たに発見することがあります。   <あとがき> ○○ジャーニーは以前からオーティコン社にて「エンドユーザージャーニー」という用語で、よく話を聞いてきました。先日同社にて開催された臨床心理士による講演や、今回のフォナック社のワークショップと合わせて、「心理」が補聴器業界で注目を浴びてきていることを感じました。 どうやったら「売れるか」ではなく、「お客様のことをまず考える→結果として補聴器の販売に至る」この流れが補聴器には大切だと私は考えます。当社に臨床心理士が在籍し、日頃からお客様との応対について根幹の部分から話合いを重ねていることも全てはこのためです。

リサウンド 補聴器新製品発表会。シンプルなモデル。

リサウンド・ベア発表会

※写真左:上段がリサウンド・ベア、下段がリサウンド・アレラ
※写真右:リサウンド社の補聴器の比較表

昨日、ジーエヌリサウンドジャパン株式会社による新製品「リサウンド・ベア発表会」に参加いたしました。今回の補聴器は価格と性能を抑えたモデル。上位モデルのリサウンド・アレラに用意されている小型の耳かけ型(RIE)や小型耳あな型の設定は無く、シンプルなラインアップ。

後半はリサウンド社の製品を使用した症例報告と、外部講師による特別セミナーを聴講。講師は博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所 前所長の阪本節郎氏。

人生の捉え方が昔と今では異なるとのこと。昔は人生50年の時代。従って残りの人生は「余生」。しかし、今の50代には一花咲かせようという思いが強く「これから」という人生概念がある。これは有史始まって以来のことであり、団塊世代に向けたサービスが存在しない理由もこれに当てはまるというもの。今の50代は「成熟」ではなく、「センス」を喜びとする時代とのことでした。

<あとがき>
新製品の対象顧客は上位モデルのリサウンド・アレラとは異なることが、展示を撮影した左の写真からも、うかがえました。後半の阪本氏の講演を聞きながら感じたことは、どれも当店で理解して実際に活動していることということ。当店の行動指針に間違いが無いことを確認でき良かったと思いました。