Just ear

パンデミックを乗り越えて

まず初めに、この度5月18日(木)に発生しました近隣のNTT設備の故障により、お電話等が繋がらないご不便並びにご心配をおかけいたしました。2日がかりになってしまいましたが、定休日の前日に発生したこともあり最小限の被害で収まりました。本日20日土曜日より通常通り営業しております。

パンデミックという誰もが初めての経験。この3年間、どのように過ごされていましたか。私はちょうど東急プラザ渋谷店を開業して間もなくパンデミックになってしまったことから、「激動の3年間」でした。

東急プラザ渋谷店は青山への出店の時とは大きく異なり、建物が立つ前の段階から出店のお声がけをいただいていたので、開業2年前から準備を進めていました。今までになく、それでいて日本の補聴器と補聴器専門店に対するネガティブな概念を変えられる、必要とされる補聴器専門店の在り方をゼロから考えなければと、4年前の今頃もギリギリまで修正を図っていました。東急プラザ渋谷店は商業施設のテナントでありながら、しっかりと検証をしてご購入の希望を確認してから販売をするスタイルで業務を行っているため、販売までに1~数カ月の期間を要します。それが、パンデミックにより、開業から3か月というこれからご注文が増えていく時期に来館者が激減してしまいました。マスクが店頭からなくなったあの頃のことです。その後、緊急事態宣言による休館が度々発生し、2年続けて数十日間もスタッフを休業させることもありました。緊急事態宣言と感染者数の増大で来館者がほぼいない時期を繰り返しました。どのメディアを見ても感染者数の公表の際にスクランブル交差点の映像を使うことが当たり前となり、「渋谷は怖い」というイメージが高齢者に刷り込まれてしまい、長く渋谷が避けられた期間が年単位で続きました。共感し、出店を決意した「大人のための渋谷」という開業時に聞いていたコンセプトも吹き飛んでしまいました。描いていた売上計画も崩れてしまい、志一つのみで大きな出店をした小規模家族経営の会社だった当時の我が社には、天地がひっくり返るほどの大きな痛手でした。

会社の要でもあり、高齢スタッフでもある社長(私の父)が感染しないように、ワクチン接種が始まるまでの1年超は接客を中止し在宅ワークをしてもらいました。もう一名の高齢スタッフである私の母も途中から在宅に切り替えました。少人数でスタートし、軌道に乗る頃合いを見て増員を計画していた中、増員する前に大黒柱2名が離脱する状況はまさに「緊急事態」。スタッフに過度な超過勤務を強いることはできないため、可能な範囲の協力はしてもらいつつも、社長が抜けた大きな穴のサポートは私と妻の沙織で対応しました。青山本店、品川大井町店、青山を終えてから夜の渋谷の担当と全店の接客を行いつつ、再建計画も考えなければならない。このような中、特に大変だったのがJust earの全国出張です。飛行機や新幹線のエアロゾル感染がワイドショーで何度も取り上げられていたこともあり、感染の恐怖と闘いながらも、当時はJust earの国内販売を当社が一手に担っていたこともあり、「出張しなければ大企業の国内事業を停滞させてしまうではないか」、「俺がやらずに誰がやるのか」と自分を鼓舞して全国を回りました。芸能人がライブを開催すると批判を受けるような時期もありました。風評被害を避けるために出張の情報は極力公表せず、移動時は一人フェイスシールドを着用し、夕食はビジネスホテルでコンビニ弁当という完ぺきではないものの出来うる防衛策を徹底し、過度なストレスのみが溜まる出張を繰り返していました。今思えば心を休める時間のない精神的にかなりハードな日々を何とか切り抜けてきたものだと思います。家族を含め、支えになってくれた方々に感謝の一言です。

スタッフに対しては、コロナ感染や働きすぎで倒れないように、超過勤務だけは気にしつつも、丁寧な気遣いなどは余裕もなく、大いにサポートが足りなかっただろうと思います。大きな出店の直後で資金的なゆとりのない中、雇用調整助成金が出るのか相談をしても東京都の判断はあやふや。でも開店休業状態ではなく、商業施設が休館なのでスタッフは休ませないといけない。満額支給する必要はないという専門家の意見がありつつも、最低限の生活を守るために休業中の給与を満額支給としたのは大変な決断でした。企業に所属しながら、社会の事情で2年続けて1~2か月もの間、仕事から解放されてフリーな時間を過ごすことになった特殊な休業は、この先はまずないでしょう。

コロナが大流行している中、来店を促す大々的な広告を出すのもいかがなものかと思い、長期戦を覚悟してコロナが明けるまでは、青山で会社を支える決意をして3年が経ちました。社長の復帰と呼応し、東急プラザ渋谷店が段々と稼働し始めたこともあり、先日の決算で昨年度は大幅な黒字回復を果たすことができました。賞与は想定通り、決算賞与はパートタイムのスタッフも含め全てのスタッフに想定以上の支給を実現できました。お客様、お取引先、大変な時期を支えてくれたスタッフ、新たに加入し盛り立ててくれたスタッフ等、多くの方々のおかげです。利益が出たら決算賞与で還元したいという東急プラザ渋谷店開業時の思いをようやく実現することができ、やっとスタートラインに戻ってきたという気持ちです。年間のスタッフの賞与も想定以上に支給でき、昇給も行うことができたので、コロナショックで大幅に抑えていた自分の年収も今年度から見直すことにしました。今年から一段と頑張らねばと思います。

この3年で、見えていた景色は大きく変わりました。大規模な調査結果によると、補聴器を取り巻く状況がかなり改善しているようです。しかし、日々の接客に焦点を当てると、毎日のように補聴器で困っている方、誤解されている方と遭遇します。まだまだ私たち東京ヒアリングケアセンターだからこそできる、やらなければならない仕事が多くあると確信しています。

新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、週明けには2週間になります。改めて思うと、まだ2週間も経っていないのかと驚くほど、すれ違う人たちのコロナ対策も明けてきていることを感じます。私も少しずつですが、ここまではコロナ前の生活に戻してみよう…そんな試みを始めています。

長くなりましたが、最後にこのブログを読んでいただいた方へのメッセージで終わります。これからどのような生活をしていこうと考えていますか。3年という長期にコロナ対策を続けたことで、人付き合いや外出が億劫になってしまっていませんか。健康を保つ上でコミュニケーションはとても大切です。もし、難聴や補聴器でお困りであれば、ぜひご相談ください。私が手塩にかけて育んできた東急プラザ渋谷店は今も古びていません。年中無休で営業し、どなたでもふらっと立ち寄れるオープンフロアの展示スペースも併設しています。車いすでそのまま入室いただける段差のない大型バリアフリー防音室も完備しています。フロアのスタッフは皆熱心に業務に取り組んでくれています。あなたやあなたのご家族が補聴器や難聴対策に疑問を感じていらっしゃるようであれば、何かしら得られるものが東急プラザ渋谷店にはあると、私は自信をもって思っています。ぜひお立ち寄りください。

25周年のご挨拶と、臨時休業の今、そして動画公開について

緊急事態宣言が発令されてから、10日となりました。皆様、どのような気持ちでお過ごでしょうか。

本日4月17日は当社の創立25周年の記念日。私の両親が自宅の一室から始めて四半世紀の時が経過した記念すべき日です。記念すべき節目となるこの日に、店舗でお客様をお迎え出来なかったことは非常に残念です。ですが、今は「Stay home」。家にいましょう。

今回の緊急事態宣言の発令を受けて、補聴器専門店がどのように行動すべきなのか、悩みました。簡単に決めてしまえば「一斉臨時休業」ですが、難聴でお困りの方にとっては私達は必要です。とはいえ、通常通りにどなたでも受け入れてしまう営業をしてしまっては、私達にもお客様にも感染リスクが高まります。このため熟考した結果、店舗は全店臨時休業。補聴器の故障等「生活に著しく問題が生じる場合」に限り、修理受付のご対応のみ受付。対応するスタッフは私のみ。それ以外の音質調整などは一旦受付を見合わせ、外出自粛を図っていただくことに決めました。今回のような事態では、100%正解の行動は無いと思います。緊急事態宣言の初期段階においては「Stay home」をまずは第一に行動する。なんとか早く終息してほしいものです。

ちょうど当社の25周年の記念日である本日、Just earの公式動画も公開されました。私、菅野聡も出演しています。ご自宅で一息入れる際にでもご覧いただき、私が開発段階から関わり続けている「Just ear」について理解を深めていただければ幸いです。

テイラーメイドイヤホンの装着ワンポイントアドバイス

耳の型どりが必要なカスタムのイヤホンを初めてお耳に装着されるお客様の中で、時より装着があと一歩…の方がいらっしゃいます。画像付きでご紹介していなかったなあと思いまして、私のブログで掲載することにいたしました。

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時々ご相談を受ける中で、下のような装着をされている方がいらっしゃいますが、一か所装着が出来ていません。↓

Just earのサンプル1

正しい装着状態は、このようになります。↓

Just earのフィッティングサンプル2

違いは上部の突起している部分を装着できているところです。↓

Just earのサンプル3

この部分は人によって装着感が異なります。耳側の窪みが深い方は、イヤホン側の突起が大きくなります。密着感は高まりますが、少し入れにくい傾向です。耳側の窪みが浅い方は、イヤホン側の突起が小さくなります。装着はしやすいですが、この部分の密着度合いは少し下がります。

耳型を採取しないユニバーサルタイプのイヤホンでは、あまり使用しない部分のため、耳の中に入ればOK…と思われてしまうのだと思います。カスタムのイヤホンは、基本的に耳の窪み全てを覆いますので、この部分を忘れずに入れてください。