専務 菅野聡のブログ

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補聴器とJust earとノーマライゼーション

「ヒアラブルからノーマライゼーションの実現へ…」
今回はイヤホンやJust ear、補聴器にまつわるお話です。

このところ、イヤホン周辺で起きている変化について、補聴器屋として感じるところは、イヤホンが段々と「補聴器に近づいている」ということです。
「ケーブルレスの充電式イヤホンを耳に入れるだけ」「イヤホンと同じ形の集音機が大手メーカーから登場」など、行きつく先は、耳に何かを入れている「ヒアラブル社会」ではないかと思っています。
補聴器はかなりの変革を遂げているものの、「障害や老いを認める器具」として見られてしまい、補聴器を必要とする難聴者が使うには、なかなかのハードルがあります。
しかし、音楽用イヤホンの力で「ヒアラブルな時代」に社会が変われば、補聴器を入れることへの抵抗が、ぐんと低くなるのでは…そう思っています。
「イヤホンが補聴器に似た機能を持ってしまったら、菅野さんには脅威では?」と、時々質問されるのですが、むしろ歓迎だと答えるようにしています。
補聴する器具を使う方が増えれば、「医療機器の補聴器」を使う方も必然的に増えていくのですから…。

障害を持つ人と持たない人が平等に生活する社会を実現する「ノーマライゼーション」という考え方が福祉の分野にはあります。
Just ear事業を青山店で始めるにあたり、開発責任者の松尾さんからは「補聴器のお客様に迷惑にならないか」とご心配いただきましたが、私にはこのノーマライゼーションの考えがあったので、むしろ歓迎であることを伝えた経緯があります。実際には色々なハードルがまだあるのですが、解決方法をつかめているので大丈夫だと思っています。

今回のブログは、先日配信のメルマガにて書いたものです。カスタムイヤホン(カスタムIEM)という新しい事業に取り組んでいるのは、ヒアリングケアに関わる事業領域の拡大という側面もありますが、根底にはこの「ノーマライゼーションへの挑戦」という想いがあることを知っていただきたく、ブログにも転載することにしました。「安く販売する」という安直な方法ではなく、どうしたら補聴器をもっと使ってみよう、補聴器の相談に行ってみようと思ってもらえるのか…根本を変えるために、日々試行錯誤をしながら、挑戦し続けています。

頼られる仕事に、やりがいを感じる。

東京ヒアリングケアセンターの補聴器のお客様は、とても困って来店される方が多い。ほとんど「広告」というものをしていないため、なかなか簡単には、お店に辿り着きません。大体がご紹介によるものです。

今日のブログは、最近いただいた、この「ご紹介」に関するお話です。

今日お電話いただいたお客様からのご紹介

最初にお会いしたのは、もう8年以上前ではないかと思います。この方も、青山店開業前より担当させていただいているお客様からのご紹介でご来店されました。「奥様」繋がりのネットワークです。

このお客様から、本日電話が入ったのは資料を一式送ってほしいというものでした。「知り合いのご家族が補聴器を買ったものの、合わなくて外出しないようになってしまった。あなたの補聴器は調子良さそうだから、紹介してほしいと言われて…。」とのこと。少し遠方になるため、通うのは大変になることをお話しても、行きたいと仰られたそうで、まずは資料をお渡しするということになりました。

ある方には良い効果が出ても、別の方にも同じ効果が出るとは限らないのが、補聴器の難しいところ。でも、何らかの理由で、補聴器の効果を正しく感じられていなかっただけで、良い効果を得る可能性がある方が多くいることも事実。遠くても補聴器の相談に伺いたいと仰っていただいているこの方が、後者であることを願いつつ、万全の状態でご相談に臨みたいと思いました。

先週ご紹介いただいたお客様は、経済界で要職を務められた方。

以前にも、ビジネスマンであれば誰もが知る程の人をご紹介いただいたこともあります。今回もそのような方をご紹介いただくこととなりました。著名な方を担当させていただくことも多く、以前はそのこと自体に喜びを感じる時もありましたが、現在は著名な方を担当すること自体には、特段の喜びはありません。

それよりも、そのような方々は一流の仕事に普段から触れており、独自の物差しをお持ちです。紹介をする場合、万が一には相手に迷惑をかけることもあります。このため紹介をするに値すると判断しない限り、闇雲には紹介いただけるものではないと思っています。特に、補聴器のように効果が不確かな製品の場合には…。厳しい審美眼をお持ちの方に、「紹介するに値する相談先である」と、信頼をいただけていることに、今は喜びを感じます。

このような困っている方々の役に立つ仕事ができることに、とてつもなく、日々、やりがいを感じるのです。

今年一番の小型補聴器が完成

本日最後のお客様は超小型の耳穴型補聴器のフィッティング。結果は想定通りの仕上がりで今年一番の小型補聴器になりました。
このお客様には一度補聴器を納品済みでしたが、気になる点が数点あり、作り直しをさせていただくこととしました。「この機能を省くことで、もっと小型にしてほしい。」、「取っ手の位置は目立たないように、こちらの場所に…。」

メーカーの製作担当者には、きちんと状況を伝え、改善してほしいポイントを伝える。当たり前のことですが、修理依頼書という「一枚の紙」だけでは、お客様と接する技能者が感じとる「肌感覚」を製作担当者に伝えることはできません。特にギリギリの限界まで追い込んだものを作らなければならない時は…。

結果はこれ以上は不可能と断言できる、目立たなさに補聴器が仕上がりました。最後に店舗ならではの、私のフィッティングノウハウで二つの手間をかけ、更に完成度を高めて、納品完了。

なぜここまで手間暇をかけたかと言いますと、撮影にご使用されるお客様のため、目立つことはNGだからです。著名人を担当させていただく場合は、納品後はテレビ越しに見えるお耳を、ついつい観察してしまいます。今回は、全く撮影に影響が出ない仕上がりになっていると、確信できる補聴器になりました。お客様には営業時間外に、長時間お付き合いいただくことになりましたが、私個人としては大満足の結果となりました。

お客様に笑顔で喜んでもらえると、とても励みになります。