その他

「補聴器とマスク」、「渋谷で手作りマスク」

補聴器をしたままマスクを外す方法

補聴器とマスクを併用している状態

この時期、耳かけ型補聴器で気を付けなければいけないことは、マスクの正しい取り外し方をマスターすること。

補聴器をしたままマスクの下側のゴムを掴んだ状態

通常、マスクのゴムは耳の下から外します。

マスクのゴムが補聴器に引っかかってしまった状態

しかし、この外し方では、耳かけ型の補聴器では、マスクのゴムが補聴器に絡みます。

補聴器をしたままマスクを外すための正しい持ち方

補聴器を耳に掛けたまま、マスクのみ外す時は、通常とは逆の位置(上側)のゴムを掴んでください。

補聴器をしたままマスクを外すための正しい持ち方2

そのまま、マスクのゴムを上方向に引っ張って外すと、補聴器にマスクのゴムを引っかけずにマスクを外すことが出来ます。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れると簡単にできますので、気を付けてみてください。音楽を聴くために使用する耳かけ型のワイヤレスイヤホンなども同様と思います。

渋谷で手作りマスクを

shibuya-sanで手作りマスク

今年は、新型コロナウィルス感染症の対策として、多くの方がマスクを使用しているため、マスクが不足しています。昨日の読売新聞の記事にマスクの自作記事がありましたが、読んでみると、東京ヒアリングケアセンター東急プラザ渋谷店が入っているビルのテナントが自作マスクを配布しているという記事でした。場所は東急プラザが入っている渋谷フクラス1階の「shibuya-san」というお店です。海外からの旅行者向けのお店です。早速本日伺ってみたところ、マスクの自作のためのワークショップも開催されているとお聞きしました。

shibuya-sanのマスクを装着した状態

装着してみたところ、肌あたりに少し硬さは感じるものの、サイズの合わない市販のマスクをするよりも良いのではないのか…と思う程に隙間の無い密着感がありました。おそらく生地はキッチンペーパーを代用されているのかなと思いましたが、中々の出来上がりで驚きました。生地も変えて自作してみても面白そうです。自宅で暇を持て余している子供たちに、教えてみようかなと思いました。皆さんも試してみてください。

老舗書店「有隣堂」が進める大改革から自社を熟考する

10月8日夜、母からの電話で、テレビ番組「ガイアの夜明け」を見る。

取り上げられていたのは、有隣堂。神奈川県民だった自分には、なじみ深い書店。そして、現在副社長のご子息が型破りな方法で、ネット販売が主流になりつつある難しい書店経営に活路を見出そうとしている特徴ある企業。

誠品生活という台湾の書店の日本での販売権を獲得し、日本の第一号店を日本橋に出店した。社員から「書店のノウハウを持っている自分たちが、海外の書店のブランドを扱うことに対して、モチベーションの維持が難しい」との声に、「残念ながら、「有隣堂」を出店してほしいという言葉はなかった。一切。みじんもなく。これが有隣堂の現状だ。」と、社員に危機意識を伝えていたところがとても参考になった。

ある程度の地位を確立すると、ノウハウもあり、プライドもある。現状を変えたくないバイアスも働く。変えたくないと思いやすいところは、私も同じ。ある程度確立してきたかなというものを変えるのはとても負荷がかかるし、開拓する道が目的地に向かっているかは、進んでみなければ分からないから、大きな不安が付きまとう。

変わらないことは簡単。ある程度は、変わらない方が、安定できる。「変化」を求めると、それが自分たちにきちんと適合するまでは、お客様から本来の変えたい目的とは別の姿に受け止められてしまうことさえもある。でも、新しいことに挑戦をしないと、気づいたら、社会に求められていない会社になってしまう。

そんな会社の未来を、私は望んでいない。安住してよいほど、日本の補聴器市場では、必要となる人たちの声に応えきれていないのは、客観的調査結果からも明らかだから。極々小さな家族経営の小さな企業であっても、「困っている人の助けになりたい」という気持ちが一番。不安は大きくても、あるべき姿を夢みて、道を拓く。

でも、皆がその想いについてきてくれるのか…おそらく、それはなかなか難しいこと。かなりの危機感がなければ、それは難しいことだから。一時代を築いた有隣堂でも、自店での出店を全く求められていないという現状。話す副社長も、聞く社員も、とても辛いことだったと思う。

そんな中、我々は大きなオファーを得た。大いなる名誉あることと思わなければいけない。とある方からお祝いのお言葉をいただいたのは、「誰でも関わりたいプロジェクト。だからといっても、決して入れるものではないこと。オファーが入ったということは、それだけとても名誉あることですよ。」と。

いただいたそのお言葉を、素直に私は受け止めたい。これからしなければいけないことは、賛同して同じ方向を向いてくれる人を、もっと増やしていくこと。色々と模索を始めました。とても前向きな悩みです。

(記憶を基にこのブログを書いたため、番組に関する詳細表現は、少し意訳があるかもしれません。ご容赦ください。)

(お客様と自分の)満足度を高めるための「三方よし」

ブログを更新しようと準備をしていたところ、公開を忘れたままの6月の下書き原稿が残っていることがわかりました。1カ月も前のことで少し記憶が曖昧ですが、文章としては、伝えたいことがまとまっており、ちょうど一カ月前の6月18日に作成したものであったこともあり、公開することにしました。型どり業者、型どり屋さん、フィッティングのプロ…フィッティングを主業務として行う者への評価は人それぞれ。このブログから、私の仕事について何らか感じていただけるものがあれば嬉しいです。

===(6月18日に、当日の出来事についてまとめたブログ)===

今日、とある仕事のことでスタッフに対して、先日読んだ雑誌に出てきた近江商人の「三方よし」について、話をしました。先週起きたJust earの耳型採取での出来事もまた、「三方よし」の考えから発生したものかなと思い、今日のブログはそのことに関するお話です。

先日ご紹介した「わたしのオト」の特集でも書かれていますが、Just earの耳型採取は他のそれとは大きく異なります。耳型採取時にセッティングする特殊なヘッドゲージを用いるJust earの耳型採取。耳型採取とは耳の型を採取するという行為が本来は基本の仕事ですが、Just ear用の耳型採取では大きなダイナミックドライバーやその他の部品を適切に耳に収めるために、特殊な器具を用いて、設計者やデザイナーの視点も併せ持ち、採取しています。「よい音のために」できるだけよいフィット感になるような採取法をベースに、さらに、大きな部品をできるだけ美しく収めるために、そして、部品が適切に組み込まれるように現実性も考慮して、コンマミリ単位又は、それ以下で、セッティングを行います。

先日のTwitterにて「120%の力を込めて耳型採取をしている」とツイートしましたが、先週は200%の力を込めて採取するケースが多々続きました。120%という言葉には、毎回全てのお客様に100%全力投球しているという意味を込めました。200%とは、100%の全力投球だけでは全く歯が立たない難しい耳だったという意味です。お一人に対して200%の集中力を注ぐのは、その字の通り「心血を注ぐ」行為で、大きな疲労を伴うもので、とてつもなく疲れました。何も考えずに採取すればすぐに採取できますが、できるだけ良いフィット感に、そして完成品が美しく、製作者にとっても作りやすく…言い換えれば今日スタッフに話した「三方よし」に通じる考えで耳型採取をしているのだなと感じました。

本日はJust earの音質調整モデル(XJE-MH1)の納品日。XJE-MH1のお客様の楽しみは、音質コンサルタント(メーカーエンジニア)に対して、完成品でも音質のリクエストをできること。私にとって興味あるところは、フィッティングの完成度を対面で確認できること。特に、装着感とともに突き詰めた中で完成した、イヤホン装着後の美しさの出来栄えを見ること。おそらく日本で、いや世界でここまで、たったイヤホンの耳型採取のために、心血を注ぐ技能者はいないだろうなと思いつつ、テキストだけでは伝わりませんが、今日納品させていただいたお客様のJust earは、とてもきれいで、苦労が報われた瞬間でした。