調整とメンテナンス

補聴器を更にジャストフィットします

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こちらは耳の形に合わせて製作した小型耳あな型補聴器です。
赤い部分が耳の奥に入り、ベージュの面が表面になります。

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次にこちら、これはお客様のお耳に合わせて製作した補聴器です。
こちらも入れ方は上の補聴器と同じですが、2つを比べると
異様に長さの異なる部分がありますね。
それは取っ手です。耳から補聴器を取り外す時に使用します。
通常は一番上の補聴器のように持ちやすさを考慮した適切な
長さでメーカーから納品されます。

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しかし、右側の補聴器の取っ手はなぜ長いのか。
それは私が担当させていただくお客様の補聴器の取っ手は
一般的な長さよりも更にジャストフィットを追求しているためです。
必要な場合には、このように長めに出した状態でメーカーから
納品してもらっています。メーカーで調整された長さでは、
外から目立ちやすい長さになってしまうことが多いためです。

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ジャストフィットした補聴器が入った左耳です。
納品の際に、直接お耳に入れながら取っ手の長さを私が調整します。
ジャストフィットとは、お客様のご要望としっかり使い続けられる
バランスのとれた状態と考えます。
一見この角度では全く見えませんが、しっかり取っ手をつかんで
取り外すことができる長さに調整してあります。

Ear Supporter(補聴器)のバリ修正

補聴器用耳栓の修正

耳にかけるタイプのEar Supporter(補聴器)には、耳穴にフィットさせるための耳栓が必要です。耳栓の種類は既製品とカスタムメイドの2種類あります。必ずしもカスタムメイドの耳栓が良いわけではありません。聴力やお耳の状態に合わせて適した耳栓をご提案しています。

本日お客様へお渡しさせていただいたEar Supporter(補聴器)は耳にかけるタイプ。メーカーから入荷後にカスタムメイドで製作した耳栓を検査したところ、肌触りの悪いザラザラした「ばり」を確認。時々発見するため、おそらくメーカーでは問題のない基準内なのだと思います。

補聴器用耳栓の修正1


※Ear Supporter(補聴器)のカスタムメイドの耳栓
 青い丸印の中、光の反射が途切れている部分が問題の個所

肌に触れる部分の表面処理が甘すぎると皮膚を痛めるリスクがあるため、当店では入荷基準を高く設定しています。修正作業は研磨機器にてトリミング作業を行い、滑らかになるまで磨き上げます。

補聴器用耳栓の修正2


※作業BOX内で磨きます

「ばり」が取れると、気持ちの良い肌触りに変わりました。細かいことですが、快適性を高めるにはこのような点も大切と考えています。常日頃、気になったことは逐一メーカーの担当者へ改善要求をしているため、「またか…」と思われそうで嫌ですが、またお話ししてみたいと思います。

補聴器用耳栓の修正3

「これで生きられる。」補聴器点検にて。

先日、出勤途中に世田谷のお客様宅に訪問。補聴器を壊してしまったと連絡があり、翌日の早朝対応として。部品が外れかかっていただけで、故障ではないことがわかり互いに一安心。クリーニングまで一通り終えて、別れ際にお客様から一言。

「これで生きられる。」

感慨深いお言葉をいただきました。お役に立てて光栄です。

明日の新製品発表会は新しい形の小型耳あな型補聴器。外から見えないほど耳の奥深くに入れる補聴器の様子。この補聴器が登場すれば、きっと今までよりも多くのお客様と出会え、このお客様のように、お喜びいただける方も増えるはず。明日の発表会が楽しみです。