カスタムイヤホン

耳の日つながりの東京ヒアリングケアセンターのお話

東京ヒアリングケアセンターのシンボルマーク

東京ヒアリングケアセンターのシンボルマークに関するお話。

昨日は3月3日。補聴器業界では耳の日といいます。語呂合わせですね。実は日本だけではなく、海外でも耳の形が数字の3に似ていることから耳の日なのだそうです。WHO(世界保健医療機関)では、3月3日を”World Hearing Day”と制定しているとのこと。

そこで今日は昨日の耳の日にちなんで、東京ヒアリングケアセンターにまつわる、「耳」のお話を書いてみます。東京ヒアリングケアセンターにお越しになったことのあるお客様は、Etというシンボルマークを目にされていますね。「このマークはどういうものなのですか?」と時より質問を受けます。

これは「補聴器」という言葉が好きではない私が、日本を代表する著名なデザイン会社さんに制作いただいた当店を表すシンボルマークになります。かじられたリンゴのマークを見れば何の店かわかるような…というものです。

補聴器は必要ではあっても、なかなか率先してつけようという方は極少数派。それはデザイン云々ではなく、「補聴器を使う人=自分の理想としない高齢者像」というネガティブな印象に紐づけて捉えてしまうことに原因があります。そこで、私は青山店を開業してすぐに、大胆にも新たな試みを行いました。それは「補聴器」というキーワードを可能なまで最小限の使用に留めるという試みです。現在でもそうかもしれませんが、当時は「補・聴・器とおじいちゃん、おばあちゃん」という「The ご老人イメージ」を前面に宣伝活動をすることが日本ではスタンダードで大多数でしたので、補聴器メーカーさんからは、驚きと反発を買いました。

しかし、東京で青山以外に住む者としては、「青山」という地には格別な畏敬の念を抱きます。他の地域で行っている普通のことをやっては「青山」に失礼だなと。もう10年以上も青山にいるため、純粋な外の人の感覚は薄れてきていますが、青山店の開設時には、「あの青山に店を!?」とたじろいだものです。

「当店を必要とする困っている方々を救えるならば、いたずらに数は追わない。」そう切り替えることにしました。とはいえ、「補聴器」というキーワードを前面に出す他店の脅威が迫る中、この決断と継続には相当な覚悟を要します。

その代わりに、当店のことを知っていただいた方とは、きちんとコンタクトをとれるように共通の認識となるマークでコミュニケーションをすることにしました。それがEtというシンボルマークです。これは何かというと「&」のルーツになったラテン語で、人と人をつなぐための記号であったそうです。現在でもフランス語や研究論文などで使われているのを、よく見かけます。

当店が人と人を「つなぐ」ための仕事をしていること、対面で親身にご相談をお受けしていること。そして、Eが耳の形に似ていること、EarのEでもあること、tは活動の拠点となるTOKYOのtであること。さらに、Earにプラスになるものを付けるという意味の「+」が隠れていること。ネガティブな要素は一切排除しつつ、私の思い入れを具現化していただいた、大切なシンボルマークになります。社外から反発は買いましたが、あの時の決断は、今も青山の地で活動を続けていられる原動力になっています。

このブログをお読みいただいたあなたとも、言葉ではなくシンボルマークだけで繋がることができたならば、当初の目的は成就したことになります。

今日はJust earに春一番が吹いた日

本日のブログはJust earのお話。

Just earはもうすぐ3年目の春を迎えようとしています。昨日の強い風は春二番と言われましたが、今日はJust earにとっては春一番とも思える、すごい強風が吹き付けました。もちろん、向かい風ではなく、暖かく心地よい追い風の強風です。

まだまだ1歳と8か月のJust ear。育てなければいけないこと、守ってあげなければいけないこと、色々と色々と…あります。

でも今日の吉報はJust earが2歳になってから、きっと大きくグーンと成長をしていくきっかけになるだろうな。そんな予感を得ました。暖かく見守ってほしく、とりあえず漠然とした状態のままですが、嬉しい気持ちのみご報告です。たまたまMH1の音質調整でJustear開発責任者の松尾さんもその場にいらっしゃいました。今日時点でこの吉報は私と松尾さんのみが知る、秘密のお話。松尾さんもきっと感極まったのでは…と思いました。生みの苦しみと育ての苦しみ、私もその一部を共有してはいますが、それ以上に多くの苦難があったと思うので。

私がJust earで大きく貢献できるところは、Just earを価値あるブランドに育てるための乳母的役割と、その土台にあるフィッティング精度の評価。フィッティングが良くなければ、何もかもが実現しないテイラーメイド商品には欠かせない仕事とはいえ、どんなに頑張っても日の目を見ることがない、黒子的仕事…。
でも日を浴びる松尾さんを始めとしたJust earのメーカーさんから評価が得られれば、それでOK、と最近思うようにもなりました。
また明日から頑張れる活力をいただいた、そんな一日になりました。

補聴器の電源について顧客と語り合う

補聴器は電池で動いています。基本的に使い捨ての電池を使用します。バッテリー内蔵タイプの補聴器もありますが、まだまだ少数派。本日、補聴器の音の調整を行っている最中に、補聴器は電源によって聞き取りにわずかな違いが起きることが分かりました。様々な角度から検証をした結果、確かに違うかも…という事実に行きついたのです。

マニアックなオーディオの世界に関わる前であったら「そんなことはない。」と思っていたかもしれない。でも今は、オーディオの電源は、乾電池が良い人、ソーラーが良い人、My電柱を建てる人…など、とてもこだわりのあるオーディオマニアがJust earの周りにはたくさんいらっしゃる。そんな方々と密に触れ合っているため、「確かにあり得る。」「難聴の補正がしにくくなるため作業は面倒になるけれど、ありえたら楽しいかもしれない。」とまで、思ってしまうようになってしまっている自分に気づきました。

困難なことに可能性を追い求める性分。ワークライフバランスを考えねばと思いながらも、根っからの探求心に火が付くテーマを見つけてしまい…、また研究課題が増えてしまいました。今夜も終電になってしまいそうです。