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カスタムIEMに関わった経緯と今

ホームページをふと見てみようと、「東京ヒアリングケアセンター」と検索してみたところ、「東京ヒアリングケアセンター 青山店 インプレッション」など、カスタムIEM系の検索が多いのかなあという検索結果が出てきました。

そこで、あまり今まで語っていなかった、当店がカスタムIEMに関わった経緯から今日までのことを綴ってみたいと思います。

思い返せば、青山店開業当時の10年前、海外の有名なサーカス団からカスタムIEMの問い合わせがあったことが、カスタムIEMに関心を持ったきっかけだったかな、と思います…おそらく。当時は付き合いのあった同業者が国内唯一のメーカーではあったものの試作段階のため、取り扱えそうなメーカーは海外品しかない状況。しかし、取り扱いを考えて色々と当たってみるも、冷ややかな反応ばかり。

開業当時でもあったため一旦断念し、補聴器に専念しつつ、少し落ち着いたあたりでもう一度カスタムIEMをリサーチ。取り扱い一歩手前のところまでいった話があったものの、自分の考えに合わないと感じ、商談は終了。元々が補聴器屋であり、困っている人の役に立ちたいという一心で青山店を開業したためビジネスライクな話には全くピンとこず…という感じでした。

青山店は「たとえ業界の慣習は無視してでも、困っている人のためにするべきだと思うことをやりたいだけしつくす店」というのが私の考え。10年経過しても今も変わらずのコンセプトで、他店が真似できない(又は、しない…)ことの一つ。

そんな中、耳型採取の店舗探しに苦労されていたベンチャーのカスタムIEMメーカーが当社の開業当時と同じく大変な思いをされてるなと共感したところから、耳型採取を始めたのが本格的にカスタムIEMに関わったきっかけだと思います。現在に至るまで日本を代表するアーティストを多くサポートさせていただくことになったのも、このあたりから。リハーサルスタジオやドームの本番前のバックヤードで修正作業をしたのも、もう何年も前のことです。

そこからは皆さんご存じの通り、都内の耳型採取店が立て続けに耳型採取のみの対応を中止して、当店しか都内近郊では簡単に採取を受け付けてない…という事態に突入しました。全国から多くのお客様がいらっしゃいましたので、国内でも有数の耳型採取店だったかと思います。関わったお客様全てに良いカスタムIEMイヤホンが出来上がるように手を抜きたくないという気持ちで全てのお客様の耳に向き合い、一時は年間1000人ほどの採取をすることも。耳型採取については、濃密な数多くの研鑽を積みました。フジヤエービックさんやeイヤホンさんなどカスタムIEM専門のお店や、海外メーカーの代理店の紹介先を一手に受けたり、とても忙しい日々を過ごしました。今現在では代理店を通さないケースでも、直接海外の著名メーカーから指名が入るほどとなりました。完全に職人仕事であり、採取店が増えつつある現在でも贔屓にしていただけるお客様がいらっしゃる所以もこの経験にあると思います。この「職人仕事」については分からない方にはわからない話ですが、一言で言ってしまうととても簡単な仕事も、それを得るためには相応の労力と費用と時間を費やします。無断で写真や動画撮影をされてしまうことが稀にありますが、わかってもらえないのだなと思う瞬間です。

カスタムIEM用の耳型採取のみの仕事は、補聴器の業界では敬遠されがちで、これは今も変わりません。様々な理由があるためで、業界が古い体質だとかそういうわけでは全くありません。しかし、補聴器業界の協会の役員もしていたことから、カスタムIEM用に耳型採取をしていることには冷ややかな批判の声をかけられることもしばしばでした。業界の方針に逆らう気持ちはないものの、専門店が採取を辞めてしまっては、経験不足な兼業店が受け付ける負の連鎖になってしまうと思い、今現在まで続けています。カスタムIEMメーカーや店舗の中で、専門家による採取を推奨したり、顧客自身が自分で耳型を採取しないようにという注意事項を見かけますが、あれは何も決まりがなかった頃に、当店がカスタムIEM業界の将来を危惧して当時関わったメーカーや販売店そしてメディアに積極的に働きかけた結果によるものです。

そんな中、数年が過ぎ、ソニーエンジニアリングの松尾さんから耳型採取の依頼があったのが、Just earに関わった最初の一歩。Just ear発売開始の1年も前のことです。
開発前から途方に暮れそうな難題を持ち掛けられ、もう早くも3年目に突入。ついこの間までは生まれたばかりの子のように付きっ切りで寄り添っていましたが、ようやく少し補聴器にも目が向けられるようになりました。Just earのために一肌も二肌も脱いできたのは、カスタム業界で経験の少ないメーカーでありながらも、大きな可能性と松尾さんをはじめメーカーの方々に魅力があり、持ち合わせるもの全てを使い切ってでも飛躍できるように支えてあげなければと思う一心から。最初の国産メーカー立ち上げ時と同じ気持ちです。

思い起こせばこの10年でJust earの総販売代理店のような立ち位置にまで上り詰めてしまい、人生は面白いものです。

明日は夏休み明けの初日。補聴器でも9月からはかなり大きな飛躍をしそうなオファーがあり、今年はフルスロットルでこのまま年末まで駆け抜けることになりそうです。久々の連休で、長々ブログを綴ってしまいました。

    

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